賢人の知恵いいとこ取り事典

読書歴30年の理系の博士が、仕事や人生に役立つ賢人の知恵を発信します。

存在感がある人間を目指さなくてもいい

 いつも明るくて話が面白い人って、存在感がありますよね。大勢が集まると、その人を中心に場が盛り上がり、一種のカリスマ性を感じることもあります。

 

 そういう人を見て

 

 「私はあの人と違って、口下手で内向的だから周りに人が集まってこない。自分の地味な性格が大嫌いだ」

 

 と、その人と自分を比較して落ち込んでしまう人もいるかもしれません。

 

 そんな人に曽野綾子著「人間にとって成熟とは何か」から紹介したい言葉があります。

 

 「グループの先頭に立って、はしゃぎながら歩く人には時々危ない面がある。いつも何か働いてくれているのだが、どこにいるかわからないように振る舞える人ほど、気力も体力もあるのである」

 

 曽野綾子さんは作家である一方でカトリック教徒であり、アフリカの最貧民窟でボランティア活動を行っています。

 

 世界で最も劣悪と言ってもいい環境下でボランティア活動を続けているうちに、いざという時に頼りになるのは、きらびやかな雰囲気のある人より、忍耐強く黙々と活動する、どちらかと言えば地味な性格の人だったのでしょう。

 

 曽野さんの人間論は厳しく、冷徹ですが、真理に近いものがあります。曽野さんが理想とする人物像こそ自立した強い人間だと思います。

 

 そんな曽野さんからすれば、きらびやかな雰囲気の人間よりも、内向的で自己主張が苦手でも自分のするべき仕事をコツコツと続けている人こそ、尊敬すべき存在なのです。

 

 見ている人はちゃんと見てくれているのです。