賢人の知恵いいとこ取り事典

読書歴30年の理系の博士が、仕事や人生に役立つ賢人の知恵を発信します。

借金の申し込みには応じてはいけない

一度金を借りに来るぐらいの人は、必ず二度、三度と借りに来る。こうして善意に始まって、ちょっと金を融通したことからついに自分まで倒産の憂き目を見るに至るものである。

 

こうした際、心を鬼にして最初から一切融通に応じない方針を厳守するようおすすめする。筋の通った、本当に必要な資金は、信用のある人にはそれぞれの供給先があり、貸す方から頭を下げて持ち込んでくれる。

 

それなのに親戚知友を頼って金を借りに来るような人はどこへ行っても相手にされない不信用な人で、生じっかな貸借を行うと、かえってその人の失敗や堕落を助けることになり、自分も損した上、その人をも誤らせる結果になる。

 

とにかく、親戚知友を頼って個人的に金を借りに来る人は(病気、災難は別)たいてい何かの欠点があり、自ら矯正しない限り、いくら金を貸しても成功はおぼつかない。

                                           

                                                                                                 本多静六「私の財産告白」

 

 この言葉を残した本多静六博士は、明治~昭和時代に活躍した人で、林学博士、造園家として東京の日比谷公園明治神宮、大阪の住吉公園の設計を行いました。

 

 一方で幼少時から貧乏で苦労したため、「貧乏討伐」を決意し、投資家として巨万の富を築き上げました。そして晩年はその財産を全額社会に寄付しました。まさにお金の達人と言っても過言ではありません。

 

 本多博士の蓄財法は著書「私の財産告白」に詳述されています。「所得の4分の1貯金」、「好景気時は貯金に励み、不景気時に思い切って投資する」など、現在でも十分通用する本質的な内容です。興味のある方は、是非お読みください。

 

 さて、本多博士は「私の財産告白」の中で、「お金を貸す」ことについて大きな警鐘を鳴らしています。

 

 財産家の本多博士に、多くの人から借金の依頼があったことは容易に想像できます。人にお金を何度も貸した結果、至った結論が上記の言葉になります。

 

 そもそも銀行などのしかるべきところでお金を借りずに、個人的に借金を申し込んでくるような人は、社会的に信用を置ける人ではないので、善意でお金を貸してもいい結果にならない。

 このことは頭に刻み付けておくべきですね。

 

 たとえあなたの友達でも、借金の申し込み、あるいは保証人になってほしいと訪ねてきたら、強い意志で断り、以降はその人とは距離を置くほうがいいでしょう。

 

 本当の友達ならあなたに迷惑をかけたくはないので、お金を借りにくることはないでしょう。つまり、お金を借りにくるということは、相手はあなたのことを、心の奥底では友達とは思ってないと考えてよいでしょう。

 

 借金の申し込みは、相手が本当の友達かどうかを見極める指標なのです。

 

 ただし、本多博士は、「病気や災難による借金は別」と例外を挙げています。これは博士の経験により、本当に人助けになり、お金もきちんと返してもらい、「生き金」になったのでしょう。

 

 お金の達人、本多博士の教えの通り、個人的な借金の申し込みには、一切応じないことが、トラブル回避のために守らなければならない基本事項となります。

 

 いくら気のいい人でも、自分の幸せのために、これだけは守るべき戒律と肝に銘じておくべきでしょう。

 

まとめ

 病気や災難以外の借金の申し込みは、心を鬼にして断りましょう。相手の堕落を助長し、自分も損をする確率が高くなります。