賢人の知恵いいとこ取り事典

読書歴30年の理系の博士が、仕事や人生に役立つ賢人の知恵を発信します。

ネガティブ思考を秒殺する超簡単な方法

 仕事で失敗し、上司に怒鳴られて落ち込んだ、スキルを上げたいけど、なかなか上達しない、将来に対する漠然とした不安・・・誰にでも訪れる、ネガティブ感情にとらわれる瞬間。

 

 そういう私も、ネガティブ感情にとらわれやすい人間です。5年前にやらかした失敗を思い出して自責の念にかられたり、人が自分のことをどう思っているのか気にしすぎて卑屈な態度をとったり、今取り組んでいる仕事が締切に間に合わないか心配したり・・・マイナス思考が次から次へと現れ、ウジウジと悩んでいる毎日でした。

 

 しかし、この一冊に出会ってネガティブ感情を瞬時に消せるようになりました。僧侶の草薙龍瞬さんの「反応しない練習」。

 

 この本には、頭の中に湧き上がる雑念を一掃できる方法が書かれています。これは2500年以上も前のインドで、ブッダが説いた原始仏教の教えの中の一つです。そんな昔に悩みを消す方法が確立されていたとは、驚きです。

 

 実際にこの方法を実践してみたら、「今まで悩んでいたことはいったい何だったんだ?」と拍子抜けするほど、頭がスッキリしました。

 

 クヨクヨと悩むのは性格だから仕方がないと、あきらめてはいけません。マイナス思考はテクニックで消去することができるのです。

 

 では、方法を紹介します。マイナス思考は、心が「反応」することで起こっているのです。ということは、「ムダな反応をしない」と、悩みを消すことができるのです。

 

 「ムダな反応」を抑える方法は次の3つです。どれか一つ実践するだけでムダな反応は止まり、心が静まり、集中できるようになります。

 

1.心の状態を言葉で確認する

 例えば、苦手な人の前で緊張してしまったら、「わたしは緊張している」と確認します。テレビやインターネットで遊んでしまったときは、「アタマが混乱して落ち着かない」と客観的に確認します。言葉で確認すると、「反応」から抜け出し、心は落ち着きを取り戻します。

 

2.感覚を意識する

 この方法は、ストレスや疲れが溜まった心をリフレッシュする、抜群の効果があります。

 イスに座って手のひらを上に向けた状態で、脚の上に置きます。そこで手を握ったり、開いたりします。手を握ったり開いたりして、その感覚を見つめます。そして「このような感覚が生まれる」と意識します。

 また体の感覚を見つめながら立ち上がり、歩くときは動く足の感覚、足の裏の感覚を見つめながら歩きます。同じ要領で、呼吸をしながら「お腹のふくらみ、縮み」や、「鼻先を出入りする空気の感覚」を感じ取るようにします。

 

3.アタマの中を分類する

この方法は、「心の状態を言葉で確認する」に似ていますが、もう少し大雑把に理解するやりかたです。頭の中に沸き起こる雑念を(1)貪欲、(2)怒り、(3)妄想、三つに分類するのです。

 (1)貪欲

 過剰な欲求に駆られている状態です。求めすぎ、期待しすぎ。人間関係をめぐる不満は、たいていこの「求めすぎる心」から来ています。貪欲に支配されると、自分自身が苦しいし、関わる相手も不幸にしてしまいます。

 (2)怒り

 不満・不快を感じている状態です。イライラしている、機嫌が悪い、ストレスを感じているときは、「これは怒りの状態だ」と理解するようにしましょう。

 (3)妄想

 想像したり、考えたり、思い出したりと、頭の中でぼんやりとなにかを考えている状態です。「つい余計なことを考えてしまう」「落ち着いて物事に取り組めない」「あれもこれもやらなきゃ」「この先どうなるのだろう」という悩みの理由は、妄想にあります。 

 これらの3つのどれが心の中にあるのかを観察します。時には複数存在していることもあります。それだけでモヤモヤは晴れます。

 

 この中で「3.アタマの中を分類する」は、分類する心の状態が3つだけなので、で簡単に実行できます。

 

 これは私の体験です。ある日職場で、私には全く落ち度が無いのに、ある人物から一方的に怒鳴られました。相手は眉間にしわを寄せ、パンパンに膨らんだ風船のように、触れば即破裂するような様子でした。

 

 私は頭に血が昇りかけましたが、「あ、この気持ちは怒りだ」と、気持ちを分類したら、驚くほど冷静になりました。

 

 その人物の机の上に1mほど積み上がった書類の山に目に入りました。「ああ、この人は山ほどの仕事を抱えて、ひどいストレスを感じているんだな」と、同情さえ感じることができました。

 

 今まで経験したことのない穏やかな心境。自分の人格のステージが上がった気さえしました。「アタマの中を分類する」だけでこれだけの効果があるのです。

 

 現在「体の感覚を意識する」も実践中です。毎日イスに座って5分間、目を閉じ、床に触れている足の感覚、呼吸をする時の空気の出入りなどを感じるエクセサイズをしています。

 

 頭から雑念が消え、なんとも安らいだ気持ちになります。雑念があるだけで精神が疲れることを実感しました。この方法を日常生活に取り入れば、心身の疲労度はさらに軽くなるでしょう。

 

 悩まない心は簡単に、しかも瞬間的に作ることができます。心の中のモヤモヤが取れずに困っている時は、だまされたと思って実践して下さい。神経を揺さぶられる日常の中でも平穏な心で仕事の成果を挙げたり、自己成長に取り組めること請け合いです。

 

 ぜひお試し下さい。