賢人の知恵いいとこ取り事典

読書歴30年の理系の博士が、仕事や人生に役立つ賢人の知恵を発信します。

簡単に精神的タフになれる方法

 精神的にタフであるということは、つまるところ、何事も完璧はないということを知っていること。

 この世のすべてのネガティブ面を認めた上で、冷静な、そして論理的な思考によって、ポジティブに世の中をとらえることができること。つまり、負の中から正を見出せるということだけである。

                    田中ウルヴェ京「ライフトランジション

 

 精神的に強いとは、文字通り心が強いということではなく、物事をポジティブにとらえられることとは、目から鱗でした。

 

 この言葉を語っている田中さんは、アーティスティックスイミングの元選手で、ソウルオリンピックでは銅メダルを獲得した、一流アスリートです。

 

 プレッシャーに押しつぶされずに、本番で最高のパフォーマンスを出すことを求められるアスリートの言葉なので、非常に説得力があります。

 

 私はこれまで、逆境に陥っても「なにくそ」と踏ん張って事態を打開する経験を、何度も乗り越えなければ心が強くならないと思っていました。

 

 しかし、心が強いとは、物事のポジティブな面を見ることができることだそうです。つまり、視点を変えるだけ。これなら普通の人でも実行できそうです。

 

 また、「何事も完璧はない」と心得ることも大切でしょうね。完璧主義だと、少しでも自分の思い通りにならないことがあると、落ち込んだり、不満を感じたりするもの。

 

 自分にも他人にも寛容になり、少々しくじっても、「まあ、いいや」と思えることで、精神的に安定を得られるのです。

 

まとめ

 物事のプラスの面を見ることと、世の中に完璧なものは存在しないと心得ることで、精神的なタフさを身に着けることができます。

 

 

 

アドラー哲学が結論付けている、幸せになるための答え

 幸せになるための答えは「他の人を幸せにする」ことです。そして「そのための能力を身につける」ことです。反対に、不幸な人は、どんなにお金があっても、健康であっても、社会的地位があっても、他の人を幸せにしていない人です。 

つまり幸せになるためには

  1.自分の能力を発揮できること

  2.それが他の人のためになっていること

  が条件である。 

                  向後千春 「アドラー実践講義 幸せに生きる」

 

 前回に引き続き、幸せになるための条件について紹介します。

 

 前回案内したように、まず健康であることが幸せになるための土台です。

その上で自分の能力を発揮し、それが他の人のためになっていることが、幸せになるために必須とのことです。

 

 つまり、前回の樺沢紫苑さんが提唱する幸せの定義では、人のためになることで、「健康」の次に優先される「人とのつながり」が満たされます。

 

 そして自分の能力を発揮することで3番目の「達成」が実現するということになります。人に認められることで、自己重要感も満足できることでしょう。

 

 樺沢紫苑さんの3つの幸せの定義を、幸せになるための基本的な地図として頭の中にインストールしておくと、これまで多くの哲人が遺した幸福論の理解度や味わいが深まりそうです。

 

 さて、アドラーが提唱している幸福を実現するためには、以下のような実践が必要となります。

  • 自分のスキルを磨き続けること
  • 困っている人がいたら、力の及ぶ範囲でサポートすること 

 10分でもよいので、毎日決まった時間を確保して、自分のスキルを磨き続けましょう。どんなスキルを思いつかない場合は、「自分では楽勝なのに、他人からベタ褒めされた経験があるスキル」を過去の記憶から引き出して、磨き続けて下さい。

 

まとめ

 幸福感に満たされるには、自分のスキルを磨き続け、それを人のために役立てましょう。「幸福の条件」である、「人とのつながり」と、「達成感」が満たされます。

 

幸福の定義がはっきりしました

 金持ちになっても幸せにはまずなれない。幸せな金持ちになど会ったことがない。幸せを感じるのはお金などなくてもできることをしているときである。

     フェリックス・デニス「本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて」

 

 私は、これまで多くのお金持ちが執筆した本を読んできました。

 それら全てに共通している意見は、「お金があるからいって、必ずしも幸せではない」ということです。

 

 今回紹介したフェリックス・デニス氏は、著書で「子供の運動会やお遊戯会に出席する」「釣りをする」など、家族と過ごす時間や、趣味に没頭している時間に幸せを感じると語っていますl。

 

 莫大なお金を使わないとできないことには、それほど幸せを感じないそうです。

 

 幸福感の強さは、持っているお金の額には比例しないのですね。

 

 精神科医の樺沢紫苑さんが最近出版した本「3つの幸福」には、「幸せ」という、人によっては判断基準が違いそうな概念を、目からうろこが落ちるほど明確に定義されています。

 

 樺沢さんによれば、幸せには3種類、「健康の幸福」「人とのつながりの幸福」「お金、成功、達成、富、名誉、地位の幸福」があり、優先する順に並んでいます。順番を間違えると幸せにはなれません。お金は最後の優先順位になっています。

 

 最優先の「健康」と、その次に優先される「人とのつながり」はお金がなくても実現できるものです。

 

 適正な運動、睡眠、食生活を心掛けて健康を保ち、家族や友人と良好な関係であれば、「自分は幸せである」と思ってもいいのではないでしょうか?

 

「でも、お金があると生活が楽になるし、自由に旅行に行ったり、高級レストランでおいしいものを食べられるので、やっぱり幸せになれるよ」

 

 という意見も多いでしょう。私は「お金がなくてもいい」という考えではなく、お金だけを追い求めるのではなく、幸福の優先順位をしっかり守れていれば、お金や成功を手に入れることにより、心はされに満たされると思います。

 

 まあ、自分が健康であることや、家族や友人に恵まれている状態であれば、幸せであると考えてかみしめるように感謝をすべきなんでしょうね。

 

まとめ

 幸せになるためにはまず健康に気を使い、家族や友人との良い関係を築きましょう。これらの「幸福の優先事項」を達成した上で自己実現を目指しましょう。

敵も従う仕事の判断基準

 会社の内部が敵だらけでも、「この会社にとって一番いいことは何なのか」という観点でのみ行動していくと、どんな敵も「このやり方は文句のつけようがない」と白旗をあげてくる。ブレない判断基準こそ、敵も味方も結びつける武器となる。 

          長谷川和廣「2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート」

 

 自分の仕事を、迷いを持たずに進めていくには、組織の目的を意識することが大事でしょう。

 

「この組織の利益になることは何か」という問いを常に頭に置いて、それに対する自分の答えに基づいて仕事を計画し、実行すると、誰に横やりを入れられようと、迷うことなく突き進むことができます。

 

 反対に、「上司や同僚に気に入られたい」という考え方で仕事をしていると、他人の気持ちや言動によって仕事の方向性が変わってしまいます。

 

 例えば、ある作業の段取りをしていたとしましょう。「この進め方であれば、上司に文句を言われないかな?」という考えで進めていると、「このやり方ではダメだよ」という上司の一言で一からやり直しになってしまいます。

 

 仕事を手伝ってくれている人がいたら、その人にも迷惑をかけることになります。また相手の自分への信頼感が薄れてしまいます。

 

「時間・人件費コストの低減を念頭に、最適な状況を最速時間で達成する」という、組織の利益を考えて段取りを進めていれば、上司の横槍が入っても、納得させる機会が得られ、時間のムダを防ぐことができるし、自分に自信を持って仕事を進めることができます。

 

 「組織の利益を最大限にする」という考えに基づいた仕事をすることで、他人に惑わされることなく、信念を持って仕事に邁進することができるでしょう。

 

まとめ

 自分の仕事を「組織の利益を最大にする」という観点から計画し、進めていきましょう。他人に何と言われようとも、ブレずに実行できるようになります。

超一流の条件

 分野を問わず、また国籍を問わず、超一流、一流の人物に共通することは、まず「偉ぶらない、いばらない」ということだ。

               志村史夫「一流の研究者に求められる資質」

 

 「威張らない」ということは、超一流になるための必須条件の一つでしょう。なぜなら、多くの業績を残すには、人の協力が必要だからです。

 威張らないことで人が近づきやすくなり、有益な情報を得やすくなり、また喜んで協力してもらえるからです。

 

 反対に威張ったり、マウントを取るような態度をとると、近寄り難く、また反感を買ってしまうので、人の協力が得られず、業績を挙げにくくなってしまいます。

 

  数々の目覚ましい業績を挙げている人は、達成すべき目標を掲げて、実現に向かって突き進みます。そして目標を達成したらすぐに次の目標を設定し、再び前に向かって進んでいく、ということを繰り返します。

 

 目標のほとんどは、今の実力より背伸びしなければ達成できないものです。自分の知識不足を実感し、どうしたら達成できるかを熟考します。どうしても謙虚に学ぶ姿勢で取り組まざるを得なくなります。

 

 人に情報提供をお願いしたり、協力を依頼する必要があるため、他人に対して丁寧な態度で接するようになります。

 

 私が属している研究界での例ですが、私の恩師で、博士論文を指導してくれた大学教授は、学会で高名でした。

 

 過去に様々なテーマの研究を行い、成果を多くの論文に発表し、それぞれの分野で第一人者と認められていました。

 

 しかしそのことを誇るわけでもなく、今取り組んでいるテーマのことを熱く語ってくれました。

 

 今取り組んでいるテーマに集中しているので、過去の業績を誇っている暇などないのでしょう。

 

 また冗談やダジャレを連発してこちらをリラックスさせてくれました。研究手法を習った時は、2週間もの長い間、つきっきりで親切丁寧に指導してくれました。

 

 私自信の体験からも、超一流と呼ばれる人は、やはり謙虚です。むしろ謙虚であることが超一流になるための条件だと思います。 

 

まとめ

 どんなに凄い業績を挙げても、威張らずにさらなる目標を設定して前に進み続けましょう。いつか「超一流」と評価される日が来るでしょう。

危機を生き抜く秘訣

危機を生き抜くポイント

 1.「落ち着こう」と自分に言い聞かせる。

 2.深呼吸して、リラックスする。

 3.アファメーション(能動的な暗示)を繰り返す。

 4.その状況の中で、面白いことを探してみる。 

 5.笑うことが緊張をほぐし、気持ちが穏やかになり、効率性が高まる。根性主義よ  りも、「状況を楽しんでしまおう」と言う気持ちのほうが、力を発揮できる。 

                  アル・シーバート「逆境に負けない人の条件」

 

 アクシデントが身に降りかかったとき、頭がパニックになり、何から手をつけていいか分からない状態になることってありますよね。

 

 急ぎの仕事をしている時に、さらに急ぎの仕事が入ったり、上司に突然呼び出されて怒鳴り声で仕事のミスを指摘され、直ちに修正するように指示されたり・・・。

 

 そんな時は上記に紹介した方法を実践してみましょう。前に紹介した四書五経の言葉のように、危機をそのまま危機と受け止めず、自分にプラスになる要素を探すように意識を変えましょう。

 

 まずは落ち着くために、「落ち着こう」と言い聞かせて下さい。「もう落ち着いたと」と完了形にしてもよいでしょう。

 

 危機に対応する際、最も重要なのが「深呼吸」です。パニックになると呼吸が浅くなります。落ち着いてものごとを考えられなくなり、ますます混乱するという、悪循環に陥ってしまいます。

 

 逆に言えば、呼吸を深くすると、たちまちリラックスでき、頭の回転もよくなります。むしろ、正常以上に深い思考ができるようになります。

 

 深呼吸は、息を吐くことから始めます。10秒くらいかけてゆっくりと息を吐き切り、吐き切ったら息を5秒くらい止めます。続いて息を10秒くらいかけて吸い、吸い切ったら再度5秒ほど息を止めます。これを繰り返します。2回ほど行うだけで十分リラックスできます。

 

 リラックスできたら、次はアファメーションに移りましょう。アファメーションは、「自己暗示」とも呼ばれ、前向きな言葉を自分自身にかけることによって、状況を好転させる方法です。

 

 ちょっと怪しいと感じるかもしれませんが、この原理はあなたの普段の生活に密接に影響しています。

 

 典型的な例がテレビのコマーシャルです。商品の紹介を何度も繰り返し、あなたの脳に刷り込んで、あなたを自動的に購買に向かわせます。

 

 この原理を詳しく説明するには、かなりの文章量が必要なので省きます。

 

 とにかく、使いようによっては強力な武器になるこの原理を、人に利用されるだけでは、余りにももったいないので、自分自身のために積極的に活用しましょう。

 

 アクシデントに見舞われたら、

 「大丈夫、すべてはうまくいっている」

 「この状況を利用して、私はさらに成長する」

 

 など、事態を前向きにとらえる暗示を心の中で繰り返して下さい。

 

 そして、「転んでもタダでは起きない」の精神で、その状況の中で面白い面、あなたのどの性質が強化されるか、あるいはどうすれば自分の得になるかを見極め、喜々として取り組めるように自分を導きましょう。

 

 しかし、「有効な方法とわかっていても、いざ危機に陥った時、頭が真っ白になって、この通りできる自信がない」

 

 という人もいると思います。

 

 アクシデントに見舞われた時に、自動的にこの方法が使えるように、普段から練習しておくのがいいでしょう。日常の生活の中で常に深呼吸を心掛け、前向きなアファメーションをあらかじめ決めておき、頭の中で繰り返し唱え、意識してものごとのいい面を探すクセ付けをしていると、突発的な災難にあっても無意識に対応できるようになります。

 

まとめ

 アクシデントに見舞われた時は、まずは深呼吸をしてリラックスし、前向きなアファメーションを繰り返し、自分が得する点を探して、楽しめるように自分を導きましょう。

 普段から練習をしておくと、いざという時に無意識に対応できます。

スキルを生涯磨き続けましょう

 40歳になって、何としてでもがんばろうと思うなら、勉強するしかない。アヒルの水かきでもいいから、スキルを磨く方向に進む。部長という「名札」ではなく、労働市場で「値札」のつく自分になることだ。(大前研一) 

  「仕事力」朝日新聞広告局

 

 40歳ともなれば、20~30代に積み上げた業績に応じて、組織内で一定の肩書を持ち、また「○○といえば○○さん」という暗黙のアイデンティティが確立されています。

 

 人によっては定年を迎えるまでこのポジションに安住することでしょう。しかし、我が国は高齢化が進み、生涯現役が求められる社会になってきています。

 

 40代で成長を止めてしまったら、この後も長年続く仕事人生が味気なくなり、また技術の進歩で自分のスキルが陳腐化し、組織内での立場も危うくなりかねません。

 

 生涯現役時代を楽しく過ごすために、40代になってもスキルを磨き続けることは重要です。

 

 スキルを磨き続けることで、次のようなメリットがあります。

 

 1.組織で他の人に代替できない存在となり、自尊心が満たされる

 2.会社を離れても自分で稼げるという自信がつき、精神的余裕が生まれる

   3.自分の成長を実感することができるので、幸福感を感じることができる

 

 身につけたい、あるいはグレードアップしたいスキルを決めて、磨き続けましょう。コアタイムにしやすく、頭が冴えて体力も充実している早朝に取り組むのがベストです。

 

 私の場合は、文章力と英語力を身に着けることを目標にしています。理由は次のとおりです。

 

・人に伝わりやすい文章を書くことができれば、ネット社会で重宝されるので、いざ組 織を離れても仕事に困らないと見込めるため

 

・日本は英語教育が熱心で、良質な教材が山ほどあるにもかかわらず、日本語と全く異質の言語であるため、依然苦手な人が多く、少しでも読み書きできると重宝されるため

 

 これらのスキルを磨くために、このブログの記事を書き、TOEICの音声問題をディクテーション(聞いた通りに書き写す)したり、英語の小説や論説を読むことを毎朝のルーチンワークにしています。

 

 取り組んでいる時間はわずかですが、記事が完成した時や、英語を正しく聞き取れた時は、「一歩前進できた」と感じることができ、毎日ささやかな充実感を味わっています。

 

「とはいっても、自分はどういうスキルを磨けばいいのか見当がつかない」 

 

 というあなたには、自分が得意とするスキルをグレードアップすることをお勧めします。得意分野は短時間でスキルアップしやすいからです。

 

 得意分野の見つけ方は、「自分では簡単にできるが、それを他人が意外なほどベタほめしてくれるもの」です。

 

 これまでの記憶をたどり、他人に「すごい」と言われたスキルをピックアップしてみて下さい。

 

 一日の中で少しでもスキルを磨く時間を確保し、毎日取り組むことで、幸福を感じることができ、自分の市場価値を上昇させることができます。 

 

まとめ

 生涯現役が現実になりつつある現在、年齢を気にせずスキルアップを続けましょう。スキルの選び方は、自分にとっては簡単でも、他人に褒められるものが狙い目です。