賢人の知恵いいとこ取り事典

読書歴30年の理系の博士が、仕事や人生に役立つ賢人の知恵を発信します。

不遇の時期は淡々と

今は叩かれる時期なんだと思って、それにめげずに淡々と生きていれば必ず人徳がついてくる。そうすればその人徳が染み渡るようになって、人が集まるようになる。                                         

                    小俣和美「斎藤一人魔法のお悩み解決法」 

 

 人間、一本調子で右肩上がりの人生を送ることはまずありません。必ず何度か「不遇」と呼ばれる状況を経験します。

 例えば、得意分野の仕事を任され、成果を挙げており、周囲からも自分の存在を認めてくれていた職場からの突然転勤。新しい職場では打って変わって苦手な業務を担当させられ、なかなか業績を上げることができない。おまけにちょっとしたミスでも恫喝する上司がいて、ことあるごとに怒鳴られる・・・。

 こうした環境の変化は、誰にでも起こります。私も経験しました。ヤケ酒、ヤケ食いに走ったり、家族や親しい友人に愚痴や悪口をこぼしたりしたい気持ちにもなりますが、しかしそれでは解決につながらず、気持ちは沈んでしまうばかりです。

 こんなときは、普段にも増して心の持ち方や、日常の過ごし方が重要になってきます。自分がどんな人物になりたいか理想像を再確認し、その実現のために必要なことをコツコツと実行することが大切です。

 英語力を身につけたかったら英語の勉強を、文章力を身に着けたいならブログの執筆等を、将来独立したいならビジネスの勉強を・・・など、あなたの明るい将来像を思い描きながら、継続して取り組みましょう。

 そうしていると、成長をしている自分を実感でき、苦しい中でも気持ちを安定させることができます。

 また運動も気分転換と健康維持のために大切です。さらに読書も苦しい状況をしのぐためのヒントをたくさん与えてくれます。

 このように不遇の時期を淡々と過ごしているうちに、必ず終わりの時期がやってきます。

 終わってみると、以前よりも人の痛みが分かる感受性や、少々のアクシデントでは動じない強さが身についている自分に気づくことでしょう。

 これが人徳として沁みだす雰囲気を醸し出し、あなたの魅力を向上することにつながるのです。

まとめ

 誰もが「不遇」の時代を経験します。この間は、自分の目標を再確認し、実現のための行動を淡々と続けましょう。運動、読書も大切です。やがて暗いトンネルを抜けたらやさしさと強さが身について、魅力的な人になっているでしょう。

 

すべての他人は悩みや苦労を抱えているので、うらやむんでも意味がありません

 どんなに恵まれているように見える人でも、どんなに優秀で活躍している人であっても、必ずその人なりの悩みや苦しみを抱えている。

 

 「あの人はええなあ」と憧れる「あの人」と同じ状況に置かれたとしても、また種類の違う悩みや苦しみは出てくる。つまり、どこに行ってもいっしょ。

 

 何になろうともいっしょ。だから、自分と人とを比べて落ち込んだり、うらやんだりしても意味がない。

 

              中村恒子「心に折り合いをつけてうまいことやる習慣」

 

 人というものは、他人のうらやましい面につい目が行ってしまうもの。

 

「なぜ自分だけがこんなに不幸なのか?」とか、「なぜ自分だけしんどい思いをしないといけないのか」など、一度は思ったことがあるでしょう。いや、常に思っている人もいることと思います。

 

 高級車を乗り回している人や、仕事をサッサとづけて、必ず定時に帰る人などがいたら、「あいつ、大金を持ってそうで、うらやましい」とか、「あいつにだけ簡単な仕事ばかり回ってきているのに、自分は難しい仕事をさせられて毎日残業、不公平だ」などと思いがちです。

 

 しかし、反対に、人間というものは、他人の見えない苦労や努力を見ようとしません。

 

 高級車に乗っている人は、実は借金で買っており、返済に苦労しているかもしれません。あるいは散財癖があり、家族から煙たがられているかもしれません。

 

 仕事を定時で終わらせて帰る人は、家で介護をしなければならない家族が待っているのかもしれません。あるいは、過去に血のにじむような苦しい仕事をやりとげ、その際に効率的に仕事を片付ける術を身に着け、実は自分より難しい仕事を任されているのかもしれません。

 

 人それぞれに、自分には思いもよらない重い荷物を背負って、懸命に生きていると思えば、他人をうらやんだり、自分をみじめだと思ったりすることはなくなるでしょう。

 

 むしろ、自分が今抱えている問題解決や、伸ばしたいと思っているスキルの向上に邁進することに気持ちが向きます。

 

 人をうらやんだり、人と比べて自分を卑下したりするような、生産性のないことには時間を割かずに、自分の将来像を思い描き、実現に向けてやるべきことに集中しましょう。

 

まとめ

 どんなにうらやましいと思える人にも、表に出さない悩みや問題をかかえています。自分だけ恵まれていない、損をしていると考えるのは時間の無駄。自分の理想の将来像を思い描き、実現に必要なことにのみ取り組みましょう。

借金の申し込みには応じてはいけない

一度金を借りに来るぐらいの人は、必ず二度、三度と借りに来る。こうして善意に始まって、ちょっと金を融通したことからついに自分まで倒産の憂き目を見るに至るものである。

 

こうした際、心を鬼にして最初から一切融通に応じない方針を厳守するようおすすめする。筋の通った、本当に必要な資金は、信用のある人にはそれぞれの供給先があり、貸す方から頭を下げて持ち込んでくれる。

 

それなのに親戚知友を頼って金を借りに来るような人はどこへ行っても相手にされない不信用な人で、生じっかな貸借を行うと、かえってその人の失敗や堕落を助けることになり、自分も損した上、その人をも誤らせる結果になる。

 

とにかく、親戚知友を頼って個人的に金を借りに来る人は(病気、災難は別)たいてい何かの欠点があり、自ら矯正しない限り、いくら金を貸しても成功はおぼつかない。

                                           

                                                                                                 本多静六「私の財産告白」

 

 この言葉を残した本多静六博士は、明治~昭和時代に活躍した人で、林学博士、造園家として東京の日比谷公園明治神宮、大阪の住吉公園の設計を行いました。

 

 一方で幼少時から貧乏で苦労したため、「貧乏討伐」を決意し、投資家として巨万の富を築き上げました。そして晩年はその財産を全額社会に寄付しました。まさにお金の達人と言っても過言ではありません。

 

 本多博士の蓄財法は著書「私の財産告白」に詳述されています。「所得の4分の1貯金」、「好景気時は貯金に励み、不景気時に思い切って投資する」など、現在でも十分通用する本質的な内容です。興味のある方は、是非お読みください。

 

 さて、本多博士は「私の財産告白」の中で、「お金を貸す」ことについて大きな警鐘を鳴らしています。

 

 財産家の本多博士に、多くの人から借金の依頼があったことは容易に想像できます。人にお金を何度も貸した結果、至った結論が上記の言葉になります。

 

 そもそも銀行などのしかるべきところでお金を借りずに、個人的に借金を申し込んでくるような人は、社会的に信用を置ける人ではないので、善意でお金を貸してもいい結果にならない。

 このことは頭に刻み付けておくべきですね。

 

 たとえあなたの友達でも、借金の申し込み、あるいは保証人になってほしいと訪ねてきたら、強い意志で断り、以降はその人とは距離を置くほうがいいでしょう。

 

 本当の友達ならあなたに迷惑をかけたくはないので、お金を借りにくることはないでしょう。つまり、お金を借りにくるということは、相手はあなたのことを、心の奥底では友達とは思ってないと考えてよいでしょう。

 

 借金の申し込みは、相手が本当の友達かどうかを見極める指標なのです。

 

 ただし、本多博士は、「病気や災難による借金は別」と例外を挙げています。これは博士の経験により、本当に人助けになり、お金もきちんと返してもらい、「生き金」になったのでしょう。

 

 お金の達人、本多博士の教えの通り、個人的な借金の申し込みには、一切応じないことが、トラブル回避のために守らなければならない基本事項となります。

 

 いくら気のいい人でも、自分の幸せのために、これだけは守るべき戒律と肝に銘じておくべきでしょう。

 

まとめ

 病気や災難以外の借金の申し込みは、心を鬼にして断りましょう。相手の堕落を助長し、自分も損をする確率が高くなります。

アウトプット中心の生活をしましょう

 自分が先頭に立ってビジネスを率いているとアウトプットに追いまくられ、なかなかインプットのための時間を確保できない。しかしそれでも「インプットだけ」より「アウトプットだけ」のほうが圧倒的にまし。インプットだけの人なんて、いなくても世の中は何も変わらないからだ。

                          ちきりん「ゆるく考えよう」

 

 本を読んだ直後は、自分が賢くなったような気がします。例えばノウハウ本を読んだ時は、その本に紹介されている技術を使いこなせるような気分になります。

 

 しかし、「知る」と「使いこなせる」の間には大きな隔たりがあります。知識を実生活でいきなり活用しようとしても、なかなか思うように使うことができません。

 

 うまく使えるようになるには、トライ・アンド・エラーを繰り返す必要があります。

 

 このように、「知っただけ」だと、世の中を変えるどころか、自分の身の回りにさえ、変化を起こすことができません。

 

 そこで、アウトプットを前提に、インプットをする習慣を身につけましょう。

 

 例えば、時間術をテーマにしたビジネス書を読んだら、紹介されているノウハウを実際に使ってみて効果を検証してみる、小説を読んだらアマゾンのカスタマーレビューに感想を投稿する、英語を勉強したら、TOEICを受けて自分の英語力を測ってみるなど、アウトプットをするように自分を仕向けましょう。

 

 本に紹介されているノウハウを使うことで、生活や仕事の質が向上したり、得た知識を人に説明したり、理解度を確認したりすることで、頭の中が整理され、記憶されやすくなります。またアウトプットのフィードバックを受けることで、貢献感が満たされたり、改善点が見つかったりして、心の充足や、自己の成長につながります。

 

 また、世の中にささやかな影響を与えることができます。

 

 例えばアマゾンで本を買う人は、たいていカスタマーレビューを参考にします。もしあなたがある本に好意的なレビューを書いて、それを見た誰かがその本を購入したら、あなたは日本のGDPの拡大に少し貢献したことになります。

 

 確かに、インプットだけの生活より手間がかかりますが、ノウハウが自分の血肉になったり、人や世の中に良い影響を与えたり、自尊心が満たされるたりなど、得られるリターンは大きくなります。

 

 インプットよりアウトプットに重点を置くことで、あなたの人生が豊かになる可能性が広がります。

 

まとめ

 積極的にアウトプットを行うと、知識の定着、生活や仕事の充実、世の中への貢献が加速化し、人生が豊かになります。

ベストを尽くして結果はおまかせ

「努力が報われるには報われる条件がある」

「気負わなくてもうまくいくものはうまくいく」

「結局、世の中はなるようにしかならない」

たくさん躓きながら辿り着いた私なりの真理です。

                      青木仁志「40代からの成功哲学

 

 50年生きてきて、青木さんの言葉は真実だと、しみじみと思います。 

 

 細かいところまで詰め、準備万端と思って臨んだ仕事がうまくかないこともあれば、あまり準備もせずに、出たとこ勝負で実行した仕事が、意外に成果が上がることもあります。

 

 ものごとの結果には、時流や、周囲の気分、予期しないハプニング(悪いものがあれば良いものもある)など、自己の力ではコントロールできない要因が作用しています。

 

 そうかといって、全てに対して行き当たりばったりの態度で臨んだら、たとえ結果が良かったとしても、どの点が良かったとか、どの点を改善するべきかなど、検証しづらくなるので、成功事例を次に活かしづらくなります。

 

 よって、仕事を行う際には、計画を紙に書き、段取りを徹底するなど、自分なりのベストを尽くしておいて、結果はなるようにしかならない、という気持ちでいるのがちょうどいいと思います。

 

 万が一失敗しても「まあ、今回は潮の流れが悪かったか」と落ち込まずに済み、一方で改善点が分かりやすくなるので、次の仕事のステップアップにつながります。

 

まとめ

 結果はなるようにしかならないという気持ちでいれば、失敗しても落ち込まずにすみます。ただし次のステップアップに活かすためにベストを尽くしましょう

不満を提案に変換しましょう

 文句を言いたくなったら「提案があるんだけど」と言ってみる。苦情を言うより提案するほうが、10倍くらいの勇気とパワーがいるかもしれないが、結果は100倍以上違う。もし、相手が自分の提案に乗り気でなかったら、「では、あなたの提案は何?」と尋ねてみる。

                     大橋禅太郎、倉園佳三「すごいやり方」

 

 文句を言いたくなったら、前向きの提案に変換するだけで、人間関係に亀裂を入れずに、状況を改善に向かわせるという、いいことだらけの状況に変えることができます。

 

 文句を言ったら、相手も意地になり、主張を曲げない理由をあげつらって、抵抗される可能性が高くなります。そうなると、状況が改善する見込みが薄くなります。

 

 また、それがエスカレートすると、相手はあなたを敵とみなし、今後のあなたの発言や行動にいちいち横やりを入れるようになるかもしれません。

 

 文句を言う代わりに、あなたの状況を改善できる提案をしましょう。同時に、それが職場、家族、グループ全体の利益になることを付け加えれば、受け入れられる確率も高くなるでしょう。

 

 例えば、あなたに割り当てられた仕事の量が明らかに他のメンバーより多く、改善してほしいと思ったら、不平を言う代わりに、提案しましょう。

 

 「私の仕事量が他の人より多いようです。業務をメンバーに、均一になるように割り当ててもらえないでしょうか?そうしてもらえると、一つ一つの仕事にじっくりと向き合うことができるので、ミスが減り、修正するための人的、時間コストを減らすことができます。また残業代も節約できます。いかがでしょうか?」

 

 不満を感じると、感情的になりがちですが、一歩引いた目線で、自分の問題解決が組織の利益にどうつながるかを考え、提案という形で投げかけてみましょう。

 

まとめ

 文句を言いたくなったら、「提案」という形で投げかけてみましょう。穏便に問題解決につながりやすくなります。提案には全体の利益につながることも盛り込めば、受け入れられる可能性が高まります。

本は自腹で買いましょう

書物を買って読む人と、読まない人の仕事能力の差は大きい。                         

                      鷲田小弥太「本の定番ブックガイド」

 

 これまで読書歴30年の経験から断言できることは、本は自分のお金で買うほうが、自分の血肉になります。

 

 図書館で借りたり、人にもらった本は、どんなに価値のある本でも、読まずに返却したり、本棚に入れたまま開かないことが多いです。

 

 これは、自腹を裂いて買わなかっった本からは、元を取ろうという考えが薄いからだと思います。

 

 やっぱり、自分で買った本のほうが、借りたりもらったりした本より、読破率が高くなるし、知識を自分のものにできると思います。

 

 そして、私の場合、読んだだけでは内容を忘れてしまうので、「重要かつ役に立つ」と思った一文を抜き出し、エクセルファイルに入力して保存しています。

 

 そして、仕事を効率良く片付けたい時や、人間関係に悩んだ時などにファイルを開き、偉人、哲人、達人の知恵を借りて乗り越えてきました。

 

 仕事能力は高くなったかと問われると、私は自分を人と比べることはしないので、実感はしませんが、このファイルのおかげで、危機をいくつも乗り越えることができたことは断言できます。

 

 そして、これまで集めた知識を自分のためだけに使うのはもったいないと思ったので、このブログのネタ帳にし、読者の皆さまと共有しています。

 

 ほとんどの本は2000円以内で買えます。読書は大きなリターンが得られる、コストパフォーマンスが高い投資だと思って、ケチらずに、自分のお金で本を買いましょう。

 

まとめ

 本は自分のお金で買うと、元を取ろうという気持ちが起こり、無意識に知識を吸収しやすくなります。本の投資効果を向上するには、心に響いた一文を抜き出し、パソコンで一元管理をすることです。迷った時や困った時にファイルをひもとくと、問題解決に役立ちます。